一隅を照らした人

こんにちは。院長の盛実です。

もうすぐ梅雨のシーズン。雨が多くて外へ出る機会が減ったり、湿気でジメジメするなど、

あまりいいイメージのないこの時期ですが、みなさんはどのように過ごしてらっしゃいますか?

 

さて、そんな6月の24日は「美空ひばりさん」の命日です。

 

美空ひばりさんは皆様もよくご存知だと思いますが、数々のヒット曲を歌った昭和を代表する歌手(ひばりさんの通算レコーディング曲数は1500曲、オリジナル楽曲は517曲だったそうです。)であり、たくさんの映画にも出演した女優さんでもありましたが、生前は“お嬢”という愛称で親しまれ、女性として初の国民栄誉賞も受賞した方です。

よく美空ひばりさんのことを“往年のスター”や“永遠の歌姫”などと讃えた言葉はたくさんありますが、私自身は「一隅を照らした人」という表現がとても印象に残っています。

この「一隅を照らす」という言葉は、比叡山を開かれた伝教大師・最澄が言った径寸十枚これ国宝に非ず、一隅を照らすこれ則ち国宝なりからきて、言葉の中の「径寸」とは金銀財宝、「一隅」とは今自分がいる場所のことを指すそうです。

 

つまり、お金や財宝は国の宝物ではない。家庭や職場など、自分自身が置かれたその場所で精一杯努力し、明るく光り輝くことのできる人こそ、何物にも代えがたい貴い国の宝である。といった意味のようです。

 

戦後まもなく、日本中が荒れ果て世の中に暗雲がたちこめていた時、その美しい歌で人々の心に明るいひとすじの光をもたらした人こそ“美空ひばりさん”でした。

 

まさに「一隅を照らした人」とはひばりさんにピッタリな言葉のように思えます。

私たちもひばりさんほどのスターにはなれなくても、自分の今いる場所で、自分ができることを、できる範囲でコツコツと精一杯頑張れば、最澄の言う「貴い国の宝」に少しでも近づけるのではないでしょうか。                             

院長 盛実俊也